専門家不在の企業が直面する課題
SCS評価制度(サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度)は、2026年10月の運用開始が予定されています。しかし、中小企業の多くはセキュリティ専門家が社内にいない状態でこの制度に対応しなければなりません。
IPAの「2025年度 中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査」によれば、従業員300名以下の企業の約7割がセキュリティ専任担当者を配置していません。専門家不在の企業が直面する典型的な課題は以下のとおりです。
- 25要求事項の読み解きが困難:制度文書は専門用語が多く、自社に何が必要か判断できない
- 現状とのギャップ分析ができない:「対応済み」「未対応」の判断基準がわからない
- 対策の優先順位がつけられない:限られた予算で何から着手すべきか不明
- エビデンス整備の方法がわからない:自己評価の申請に必要な文書・証跡の作り方が不明確
SCS評価制度★3は自己評価による準拠です。外部リソースを上手に活用すれば、専任の採用なしに対応を完了できます。
外部リソースの選択肢
セキュリティ専門家がいない企業が活用できる外部リソースは、大きく4つに分類されます。
| 選択肢 | 概要 | 費用目安(月額) | 適した企業規模 |
|---|---|---|---|
| セキュリティコンサル | SCS対応のギャップ分析から申請まで伴走支援 | 30〜80万円 | 50〜300名 |
| MSP(マネージドサービス) | セキュリティ運用を丸ごと外部委託 | 15〜50万円 | 30〜200名 |
| お助け隊サービス | IPA認定の中小企業向けセキュリティ支援。新類型はSCS対応を支援 | 5〜15万円 | 10〜100名 |
| 副業・フリーランス人材 | 週1〜2日の稼働でアドバイザリーを提供 | 10〜30万円 | 10〜50名 |
コスト重視ならお助け隊サービス、スピード重視なら伴走型コンサル、運用も含めて任せたいならMSPが最適です。詳しい比較は「SCS評価制度の支援コンサル比較」をご覧ください。
Microsoft 365で自動化できる対策
SCS評価制度★3の25要求事項のうち、Microsoft 365 Business Premiumの標準機能で自動化・対応できる項目が多数あります。専門家がいなくても、設定を正しく行えば制度準拠に近づけます。
| 要求事項 | M365の対応機能 | 設定の難易度 |
|---|---|---|
| MFA(多要素認証)の適用 | Entra ID 条件付きアクセス / セキュリティの既定値群 | 低 |
| EDR(端末検知・対応) | Microsoft Defender for Business | 低〜中 |
| デバイス管理・資産台帳 | Microsoft Intune デバイスインベントリ | 中 |
| パッチ管理 | Windows Update for Business / Intune | 中 |
| メールセキュリティ | Defender for Office 365(フィッシング対策) | 低 |
| ログの取得・保管 | 統合監査ログ(Purview) | 低 |
| バックアップ | Microsoft 365 Backup(追加ライセンス) | 低 |
Microsoft 365管理センターのSecure Scoreは、テナントのセキュリティ状態を点数化し、改善アクションを提案してくれます。SCS対応の進捗管理にも活用できます。
費用比較:正社員採用 vs 外部活用
セキュリティ専門家を正社員として採用する場合と、外部リソースを活用する場合の年間コストを比較します。
| 項目 | 正社員採用 | 外部コンサル(伴走型) | お助け隊 + M365設定支援 |
|---|---|---|---|
| 年間コスト | 800〜1,200万円 | 360〜960万円 | 60〜240万円 |
| 立ち上がり期間 | 採用3〜6ヶ月 + 習熟 | 即日〜2週間 | 1〜4週間 |
| SCS制度の知見 | 個人に依存 | 高い(専門家チーム) | 中程度 |
| 継続的な運用 | 安定 | 契約期間に依存 | 基本的にスポット |
中小企業にとって、年間800万円以上のセキュリティ人材を確保するのは現実的ではありません。SCS★3対応だけであればスポットの外部支援で十分対応可能です。詳しいコスト試算は「SCS評価制度の対応コストガイド」をご確認ください。
BTNコンサルティングの支援
BTNコンサルティングは、セキュリティ専門家がいない中小企業のSCS評価制度対応を伴走型で支援します。
- ギャップ分析:25要求事項と現状の照合を代行し、未対応項目を明確化
- M365設定支援:MFA・EDR・Intune等の設定を代行。Secure Scoreの改善までサポート
- 文書テンプレート提供:セキュリティ方針、インシデント対応計画等のひな型を提供
- 申請サポート:自己評価のエビデンス整備から申請完了まで並走
「SCS評価制度対応支援」サービスページもご覧ください。「SCS評価制度の対応ガイド」では対応の全体像を解説しています。
まとめ
セキュリティ専門家がいなくても、SCS評価制度★3への対応は可能です。お助け隊サービスやMSP、伴走型コンサルなどの外部リソースを活用し、Microsoft 365の標準機能で自動化できる対策から着手しましょう。正社員採用に比べてコストを大幅に抑えつつ、2026年10月の運用開始に間に合わせることができます。