中小企業がテレワークで直面する課題
テレワークは今や「特別な働き方」ではなく、採用競争力にも直結する標準的な勤務形態です。しかし中小企業では、テレワーク環境の整備が不十分なまま運用しているケースが多く見られます。
- VPNが遅い・不安定 — 同時接続数の制限やパフォーマンスの問題で業務効率が低下
- セキュリティが甘い — 個人PCで業務データにアクセス、自宅Wi-Fiのセキュリティが不明
- コミュニケーション不足 — メール中心で情報共有が遅れる、雑談がなくなりチームの一体感が低下
- 管理ができない — 誰がいつどこから何にアクセスしているか把握できていない
- 紙の業務が残っている — 請求書の押印、経費精算の紙処理のために出社が必要
テレワーク環境に必要な5つの要素
① コミュニケーション基盤
チャット(Teams / Slack)、ビデオ会議、電話機能を統合したUCaaS(Unified Communications as a Service)が必要です。Microsoft TeamsはMicrosoft 365に含まれており、チャット・会議・電話・ファイル共有がワンストップで利用できます。
② クラウドストレージ
SharePoint Online + OneDriveでファイル共有を完結させます。「ファイルサーバーに入らないとファイルが見れない」という状態をなくし、どこからでもアクセスできるようにしましょう。
③ リモートアクセス
従来はVPNが主流でしたが、クラウド化が進んだ現在はVPNなしで業務が完結する環境が理想です。M365のサービスはすべてインターネット経由でアクセスでき、条件付きアクセスでセキュリティを担保します。オンプレミスのシステムが残っている場合のみ、Azure AD Application ProxyやVPNを併用します。
④ デバイス管理
自宅で使うPCのセキュリティを会社が管理する仕組みが必要です。Intune(M365 Business Premium)で、OSアップデート状況、暗号化(BitLocker)、ウイルス対策の状態をリモートから管理・強制適用できます。
⑤ 業務プロセスのデジタル化
電子署名(DocuSign / クラウドサイン)、経費精算SaaS、電子請求書などを導入し、「紙のために出社する」を排除します。テレワーク環境の構築は、単なるITツールの導入ではなく、業務プロセス全体のデジタル化と捉えるべきです。
Microsoft 365で構築するテレワーク環境
| 機能 | 使用するM365サービス | プラン |
|---|---|---|
| チャット・会議 | Teams | 全プラン |
| ファイル共有 | SharePoint Online / OneDrive | 全プラン |
| メール | Exchange Online | 全プラン |
| タスク管理 | Planner / To Do | 全プラン |
| デバイス管理 | Intune | Premium以上 |
| セキュリティ制御 | 条件付きアクセス | Premium以上 |
| 脅威保護 | Defender for Business | Premium以上 |
Business Standardであればコミュニケーション+ファイル共有の基盤は整います。セキュリティとデバイス管理まで含めるならBusiness Premiumが必要です。
テレワークのセキュリティ設計
- MFAの全社適用 — 自宅からのアクセスは社内よりリスクが高い。最低限MFAは必須
- 条件付きアクセス — 会社管理デバイスのみアクセス許可、海外IPのブロック、リスクの高いサインインの検知
- データ損失防止(DLP) — 個人メールへの機密ファイル転送を検知・ブロック
- セッションタイムアウト — 一定時間操作がない場合に自動サインアウト
- 端末紛失対応 — Intuneによるリモートワイプ(遠隔データ消去)の設定
テレワーク運用ルールの策定
技術的な環境だけでなく、運用ルールも重要です。
- 勤怠管理 — 始業・終業の連絡方法(Teams投稿、勤怠SaaSでの打刻)
- コミュニケーションルール — 即レス不要、Teamsのステータス活用、定期1on1の実施
- 情報セキュリティ — 公共Wi-Fi利用禁止、画面のぞき見防止、プリントアウト制限
- 環境整備手当 — 自宅のインターネット回線費用、デスク・椅子の補助
情シス365では、M365を基盤としたテレワーク環境の設計・構築を支援します。セキュリティと利便性を両立した環境を、現状のIT環境に合わせてカスタマイズして提供します。
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まとめ
テレワーク環境の構築は、コミュニケーション基盤、クラウドストレージ、リモートアクセス、デバイス管理、業務デジタル化の5要素で構成されます。Microsoft 365 Business Premiumをベースに、条件付きアクセスとIntuneを組み合わせれば、VPNに頼らない安全なテレワーク環境を構築できます。