ノーコード/ローコードとは
ノーコード/ローコードとは、プログラミングなしで(または最小限のコードで)業務アプリケーションやワークフローを構築できるツールの総称です。Excelの延長線上で、ドラッグ&ドロップや設定画面の操作だけで業務システムを作れます。
「ITに詳しい人がいないから業務システムは作れない」という中小企業の常識を覆すのがノーコードです。現場の担当者自身が業務ツールを作り、改善できる——これは中小企業のDX推進における最も現実的なアプローチです。
主要ツールの比較
| ツール | 提供元 | 月額目安 | 特徴 | おすすめ企業 |
|---|---|---|---|---|
| Power Automate | Microsoft | M365に付属(基本機能) | ワークフロー自動化。M365との連携が強力 | M365利用企業 |
| Power Apps | Microsoft | M365に付属(基本機能) | カスタム業務アプリ構築。モバイル対応 | M365利用企業 |
| kintone | サイボウズ | 1,650円/人 | 業務アプリをGUIで構築。日本語サポート充実 | 日本語重視の企業 |
| Zapier | Zapier | 約$19.99〜 | SaaS間連携特化。5,000+のサービス対応 | 複数SaaS連携目的 |
Microsoft 365を利用中の企業なら、Power AutomateとPower Appsが追加コストなしで利用できます。まずはここから始めるのが費用対効果の高い選択です。
すぐに始められる活用シナリオ5選
① 経費精算の自動化(Power Automate)
社員がTeamsのフォームに経費を入力→自動でSharePointリストに登録→上長にTeamsで承認依頼が送信→承認後に経理のExcelに自動転記。紙の経費精算用紙が完全に不要になります。
② 問い合わせ管理(kintone / Power Apps)
顧客からの問い合わせを入力→対応状況をステータス管理→期限を過ぎた案件はアラート通知。Excel管理では限界がある問い合わせ追跡を、専用アプリで効率化します。
③ 入退社手続きの自動化(Power Automate)
人事がフォームに新入社員情報を入力→IT部門にPC準備依頼が自動通知→アカウント作成チェックリストが自動生成→総務に備品発注依頼が自動送信。部門間の連携ミスや漏れを防止します。
④ 日報・週報の集約(Power Automate + SharePoint)
社員がFormsで日報を提出→SharePointリストに自動集約→週次でExcelレポートを自動生成→マネージャーにメール送信。手作業でのコピー&ペースト作業がゼロになります。
⑤ 在庫管理アプリ(kintone / Power Apps)
スマホで在庫の入出庫をバーコード読み取り→数量を自動更新→在庫が閾値を下回ったらアラート通知。Excel在庫表の更新忘れや数え間違いを防止します。
ノーコード導入のステップ
- Excel業務の洗い出し — 社内で「Excelで管理しているもの」をリスト化。ノーコード化の候補になる
- 最もシンプルな業務から着手 — いきなり複雑なワークフローに挑戦しない。まずは「フォーム入力→メール通知」レベルから
- 推進者(市民開発者)の育成 — 各部門に1人、ノーコードツールを使える「推進者」を育成。外部研修や社内ハンズオンで
- 成功事例を社内共有 — 最初の成功事例を社内で広く共有し、他部門からのアイデア創出を促進
- ガバナンスの整備 — 野良アプリの乱立を防ぐため、アプリ作成のルール(命名規則、データ保管先、承認フロー)を策定
ノーコード活用の注意点
- 「野良アプリ」問題 — 誰でもアプリを作れる一方、管理されないアプリが乱立するリスク。作成者の退職後に誰もメンテナンスできなくなる
- パフォーマンスの限界 — 大量データ(数万件超)の処理や複雑な計算には向かない。その場合はプロの開発が必要
- セキュリティ — Power Appsで作成したアプリのアクセス権限が適切か、機密データの取り扱いが安全かを確認
AI365サービスでは、Power Platform / kintoneを活用した業務自動化の設計・構築・研修を支援します。「Excelの限界」を感じたら、ノーコードへの移行をご相談ください。
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まとめ
ノーコードツールは中小企業のDX推進における最も現実的な武器です。まずはExcelで管理している業務を1つ選び、Power AutomateやPower Appsで置き換えてみましょう。小さな成功体験の積み重ねが、全社的なDX推進の原動力になります。