DX人材不足の実態

IPA「DX白書」によると、DXを推進する人材が「大幅に不足している」と回答した企業は約5割に上ります。特に中小企業では、IT人材がそもそも社内に不在のケースが多く、既存社員のリスキリング(学び直し)によるDX人材の内製化が現実的な選択肢です。

経済産業省は「DXリテラシー標準」を策定し、すべてのビジネスパーソンが身に付けるべきDXの基礎知識を定義しています。企業はこの標準を参考に、全社的なデジタルリテラシー向上を推進することが求められています。

DX人材に求められるスキルマップ

スキル領域初級中級上級
データ活用Excel関数・ピボットPower BI・SQL基礎Python・統計分析
業務自動化Power Automate基本RPA設計・API連携システム連携設計
クラウドSaaS利用・基本操作M365管理・設定アーキテクチャ設計
セキュリティフィッシング対策・パスワードMFA・アクセス管理ゼロトラスト設計
プロジェクト管理タスク管理・報告要件定義・ベンダー管理DX戦略立案・PMO

リスキリングプログラムの設計

Phase期間内容到達目標
1. 基礎1〜2ヶ月デジタルリテラシー研修、M365基本操作全社員がTeams・SharePointを活用
2. 実践3〜4ヶ月Power Automate/Power Apps、データ分析基礎各部門に1名以上の「DX推進者」
3. 応用5〜6ヶ月AI活用、業務プロセス再設計部門別DXプロジェクトの立ち上げ

推奨資格・研修

  • ITパスポート:IT基礎知識の全社標準として
  • Microsoft 365 Fundamentals (MS-900):M365活用の基礎
  • Power Platform Fundamentals (PL-900):ローコード開発の基礎
  • G検定(JDLA):AI・ディープラーニングの基礎知識
  • データサイエンティスト検定(DS検定):データ分析の実践力
💡 リスキリングの成功ポイント

研修だけでは定着しません。「学んだスキルを実務で使う場」を意図的に作ることが最も重要です。例えば、研修後に「自部門の業務を1つ自動化する」課題を設定すると、実践を通じてスキルが定着します。

研修予算の目安

研修内容1人あたり費用期間
ITパスポート対策講座¥20,000〜50,0002〜3ヶ月(自学)
Power Platform研修¥50,000〜100,0002〜3日
データ分析基礎研修¥80,000〜150,0003〜5日
AI活用研修¥30,000〜80,0001〜2日

人材開発支援助成金(厚労省)を活用すれば、研修費用の最大75%が助成されます。IT導入補助金と併せて活用しましょう。

リスキリングの効果測定

リスキリングの効果は「学習の完了」ではなく「業務への適用」で測定します。研修受講率よりも「研修後3ヶ月以内にPower Automateで業務を自動化した人数」「Power BIでレポートを作成した人数」など、実務での活用率をKPIに設定しましょう。目標値の目安は、研修受講者のうち30%以上が3ヶ月以内に業務で活用していれば「成功」と評価できます。

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BTNコンサルティング 編集部

株式会社BTNコンサルティング|情シス365 運営

Microsoft 365・Google Workspace導入支援、IT-PMI(M&A後のIT統合)、セキュリティ対策を専門とするITコンサルティング企業。中小企業の「ひとり情シス」を支援し、ITの力で経営課題を解決します。

まとめ

DX人材の育成は「全社員向けのデジタルリテラシー教育 → 業務部門のノーコード/ローコードスキル → IT部門の高度専門スキル」の3層で段階的に進めます。IPAのITパスポートや情報セキュリティマネジメント試験を社内推奨資格とし、年間5〜15万円/人の研修予算を確保しましょう。