情シス人材の採用市場の現状
2026年現在、IT人材の有効求人倍率は約5〜8倍と他業種を大きく上回っています。経済産業省の推計では、2030年にはIT人材不足が最大79万人に達する見込みです。中小企業では「求人を出しても応募がゼロ」というケースが珍しくありません。
とくに情シス(社内SE・IT管理者)は、SIerやSaaS企業と人材を取り合う構図になっており、中小企業の情シス求人は最も採用が難しいポジションの一つです。
採用が難しい5つの理由
理由1:給与競争力の不足
IT人材の市場年収は500〜700万円が相場ですが、中小企業の情シス年収は400〜550万円が一般的。SIerやメガベンチャーの方が100〜200万円高い給与を提示でき、給与面で太刀打ちできないのが現実です。
理由2:企業知名度の壁
転職サイトでの情シス求人は大量に存在しますが、求職者は知名度の高い企業から見ていきます。社名を知らない中小企業の求人はそもそもクリックされないという根本的な課題があります。
理由3:業務範囲の広さ
中小企業の情シスは「何でも屋」になりがちです。ヘルプデスク、サーバー管理、セキュリティ、ベンダー管理、予算策定まで1人で担当するため、専門スキルを磨きたい人材には敬遠されます。
理由4:キャリアパスの不明確さ
大企業ではIT部門内でマネージャー→部長→CIOというキャリアパスが見えますが、中小企業では情シスの上位ポジションがなく、「この会社でどう成長できるか」が見えないことが辞退理由になります。
理由5:地方企業の格差
リモートワーク普及で地方企業も東京のIT人材を採用できるようになりましたが、フルリモート可の大企業と比較されるため、地方・出社前提の中小企業はさらに不利です。
採用できた場合のリスク
仮に採用できたとしても、以下のリスクが残ります。
- 属人化リスク:1名採用でも結局「ひとり情シス」。その人が辞めれば元通り
- 早期退職リスク:中小企業の情シスは離職率が高く、平均在籍期間は2〜3年
- スキルミスマッチ:採用時のスキル評価が難しく、入社後に「期待と違った」が発生しやすい
- 採用コスト:エージェント手数料(年収の30〜35%)+教育コストで初年度は正社員コストの1.5倍
代替手段5選
①ITアウトソーシング
情シス業務をまるごと外部に委託。月額15〜60万円で専門チームが対応。最もコスパが高く、即効性のある選択肢です。
②副業・フリーランス人材の活用
週2〜3日稼働のIT人材を業務委託で確保。月額20〜40万円。専門性の高い人材にアクセスできますが、マネジメント工数が発生します。
③社内人材のリスキリング
総務や経理の社員にIT研修を受けさせ、兼任情シスに育成。コストは研修費のみ。長期的な自社力の底上げになりますが、即効性は低いです。
④マネージドサービスの活用
セキュリティはSOCサービス、PC管理はMDMサービスと、業務ごとに専門サービスを組み合わせ。必要な部分だけプロに任せる発想です。
⑤CIO as a Service
IT戦略の立案・意思決定を外部CIOに委託。月額10〜30万円(月1〜2回のMTG)。経営レベルのIT判断を専門家に相談できます。
各手段のコスト比較
| 手段 | 月額コスト | 即効性 | 専門性 | リスク |
|---|---|---|---|---|
| 正社員採用 | 50〜70万円 | △(3〜6ヶ月) | ○ | 退職・属人化 |
| ITアウトソーシング | 15〜60万円 | ◎(2〜4週間) | ◎ | 低い |
| 副業・フリーランス | 20〜40万円 | ○(2〜4週間) | ◎ | 稼働管理 |
| リスキリング | 研修費のみ | ×(6ヶ月〜) | △ | スキル不足 |
| マネージドサービス | 5〜30万円 | ◎(即日〜) | ◎ | サービス範囲限定 |
| CIO as a Service | 10〜30万円 | ○(1〜2週間) | ◎ | 実行は別途必要 |
自社に合った手段の選び方
- IT担当ゼロ・すべて任せたい→ ITアウトソーシング(情シス365のようなフルサービス)
- IT担当1名・特定業務だけ補強したい→ マネージドサービス or 副業人材
- IT方針を相談できる人がほしい→ CIO as a Service
- 中長期でIT内製化したい→ リスキリング+アウトソーシングの併用
BTNの情シス365
BTNコンサルティングの情シス365は、採用の代替手段として最も多くのお客様に選ばれています。ライトプラン月額¥180,000からスタート可能。「採用できない」を「採用しなくていい」に変えるサービスです。
まとめ
情シス人材の採用難は構造的な問題であり、短期的に改善する見込みはありません。「採用する」だけでなく「採用しない選択肢」を検討することが、中小企業の現実的なIT戦略です。自社の状況に合った代替手段を組み合わせて、持続可能なIT運用体制を構築しましょう。