SCS評価制度の全体スケジュール
SCS評価制度(サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度)は、経済産業省が主導するサイバーセキュリティの格付け制度です。2025年度の制度設計フェーズを経て、2026年10月に★3の運用開始が予定されています。
制度全体のロードマップは以下のとおりです。
| 時期 | マイルストーン | 概要 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 制度設計・検討 | 産業構造審議会WGで制度骨格を策定。要求事項の確定 |
| 2026年4月 | パブリックコメント | 制度構築方針(案)に対する意見募集。要求事項の最終調整 |
| 2026年7月(予定) | 制度確定・申請システム公開 | 最終版の要求事項・評価基準を公表。申請ポータルの稼働 |
| 2026年10月 | ★3 運用開始 | 自己評価による★3の申請受付を開始 |
| 2027年度 | ★4・★5 運用開始 | 第三者評価による★4、高度評価の★5を順次開始 |
★3は自己評価のため第三者監査は不要ですが、取引先から早期取得を求められるケースが増えています。運用開始と同時に申請できるよう、事前準備を進めましょう。
2026年の月別マイルストーン
2026年の各月で想定されるイベントと、企業側で対応すべきアクションを整理します。
| 月 | 制度側のイベント | 企業側のアクション |
|---|---|---|
| 4月 | パブコメ開始 | パブコメ内容を確認し、最終版の要求事項を把握 |
| 5月 | パブコメ締切・集計 | ギャップ分析を開始。25要求事項と現状を照合 |
| 6月 | 制度最終案の策定 | 対応計画の策定。優先度・担当・期限を決定 |
| 7月 | 制度確定・申請システム公開 | セキュリティ方針の策定、MFA適用など技術対策を実施 |
| 8月 | 申請準備期間 | インシデント対応計画・資産台帳の整備。エビデンス収集 |
| 9月 | 申請準備期間 | 自己評価を実施。全25項目の準拠を確認・最終調整 |
| 10月 | ★3 運用開始・申請受付 | ★3の申請を提出 |
| 11〜12月 | 評価結果の公表開始 | ★3取得完了。取引先への通知 |
企業側の準備タイムライン(逆算スケジュール)
2026年10月の★3取得を目標とした場合、逆算すると4月から準備を開始するのが理想的です。
| 期間 | 作業内容 | 所要期間 |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 現状把握・ギャップ分析(25要求事項との照合) | 4〜6週間 |
| 5〜6月 | 対応計画の策定(優先度付け・予算確保・体制整備) | 2〜3週間 |
| 6〜8月 | 技術対策の実施(MFA適用、EDR導入、台帳整備等) | 2〜3ヶ月 |
| 8〜9月 | 文書整備・エビデンス収集(方針書、対応計画、証跡) | 2〜4週間 |
| 9月 | 自己評価の実施・最終確認 | 1〜2週間 |
| 10月 | ★3申請の提出 | — |
2026年4月時点で準備を始めれば、約6ヶ月の猶予があります。ただし、EDR導入やIntuneの展開など技術対策は時間がかかるため、早期着手が重要です。対応手順の詳細は「SCS★3の取得方法」をご覧ください。
業界別の対応目安
業界によって取引先からの要求時期が異なります。自社が属する業界の動向を踏まえた対応が必要です。
| 業界 | 取引先からの要求時期(予測) | 推奨する準備開始時期 |
|---|---|---|
| 自動車 | 2026年10月〜(Tier1から順次) | 2026年4月 |
| 半導体・電子部品 | 2026年10月〜 | 2026年4月 |
| 金融(銀行・保険) | 2026年度下期〜 | 2026年4月 |
| 製造業(その他) | 2027年度〜 | 2026年7月 |
| IT・SaaS | 2027年度〜 | 2026年7月 |
| 建設・不動産 | 2027年度以降 | 2026年10月 |
| 小売・サービス | 2027年度以降 | 2026年10月 |
自動車・半導体・金融の3業界は、サプライチェーン攻撃の被害が多発しているため、制度運用開始と同時に取引先への要求が始まる見込みです。2026年のサイバーセキュリティ制度変更まとめも併せてご確認ください。
まとめ
SCS評価制度は2026年10月に★3の運用が開始されます。10月の申請開始に間に合わせるには、4月からの準備着手が理想的です。特に自動車・半導体・金融業界のサプライチェーンに属する企業は、優先的に対応を進めましょう。
- 2026年4月:パブコメ確認、ギャップ分析開始
- 2026年6〜8月:技術対策・文書整備の実施
- 2026年10月:★3申請の提出
「SCS評価制度の対応ガイド」で対応の全体像を、「SCS評価制度対応支援」でBTNコンサルティングの支援内容をご確認いただけます。