SCS評価制度とは

SCS(Supply Chain Cybersecurity)評価制度は、経済産業省が主導するサプライチェーン全体のサイバーセキュリティレベルを可視化する格付け制度です。2026年度から本格運用が開始されます。

サプライチェーン攻撃の増加を背景に、取引先のセキュリティレベルを客観的に評価し、サプライチェーン全体のセキュリティ底上げを目指す制度です。企業は自社のセキュリティ対策状況に応じて★1〜★5の5段階の格付けを取得できます。

制度の背景

近年、大企業ではなく取引先の中小企業を経由したサイバー攻撃が急増しています。

事例概要
大阪急性期・総合医療センター2022年給食委託先経由でランサムウェア感染。電子カルテが約2ヶ月停止
名古屋港コンテナターミナル2023年VPN経由でランサムウェア感染。コンテナ搬出入が約3日間停止
自動車部品メーカー2022年取引先の部品メーカーがランサムウェア被害。国内全工場が1日停止

これらの事例を受け、経産省はNIST CSF 2.0(サイバーセキュリティフレームワーク)との整合を図りつつ、日本の産業構造に合わせた評価制度を設計しました。

評価基準と5段階格付け

格付け評価方法主な要件想定対象
★1自己宣言SECURITY ACTION「情報セキュリティ5か条」相当の基本対策への取り組み宣言すべての中小企業
★2自己宣言自社診断の実施+情報セキュリティ基本方針の策定・公開すべての中小企業
★3自己評価25項目の要求事項(MFA、EDR、パッチ管理、資産台帳、インシデント対応計画、バックアップ等)への準拠。2026年10月運用開始サプライチェーンに参加する企業の標準レベル
★4第三者評価44項目の要求事項(★3+リスク評価、ネットワーク監視、委託先の定期評価等)。2027年度運用開始予定機密情報を扱う・システム接続のある受注者
★5第三者評価最高位レベル。要求事項は検討中(NIST SP 800-171等の国際基準との整合が想定)重要インフラ・防衛関連等
⚠️ まずは★3の達成を

中小企業にとっては2026年10月に運用が始まる★3の達成が最優先です。★3はMFA・EDR・パッチ管理・バックアップなど「標準的なサイバーハイジーン(衛生管理)」に相当する25項目で構成され、自己評価で申請できます。詳細は「★3の要求事項25項目チェックリスト」をご覧ください。

中小企業への影響

  • 取引条件への影響:大企業が取引先に★3以上の格付けを要件として求める可能性。経産省は「格付けの取引条件化」を推奨する方針
  • 入札・調達への影響:政府調達・公共事業の入札で★格付けが加点要素となる見込み
  • ★3未達のリスク:取引停止、新規取引の機会損失、サイバー保険の保険料上昇
  • 早期対応のメリット:運用開始と同時に★3を取得すれば、競合他社に対する差別化要因に

★3達成のための具体的対策

Microsoft 365 Business Premiumを活用すれば、★3の技術的な要求事項の多くをカバーできます。

★3要件Microsoft 365での対応策
MFA(多要素認証)Entra ID 条件付きアクセスでMFA必須化。セキュリティの既定値群を有効化
EDR導入Microsoft Defender for Business(Business Premiumに含む)でEDR機能を展開
バックアップMicrosoft 365 Backup(追加ライセンス)またはサードパーティバックアップでメール・SharePointを保護
従業員教育Attack Simulation Training(Defender for Office 365 Plan 2)でフィッシングシミュレーション
資産管理Intuneでデバイスインベントリを自動収集。ソフトウェア一覧も取得可能

BTNコンサルティングの支援

SCS評価制度への対応をワンストップで支援します。現状のセキュリティ対策状況のアセスメント、★取得に必要な対策のギャップ分析、Microsoft 365を活用した具体的な実装まで、「情シス365」セキュリティパックで対応可能です。

💡 SCS評価制度の対応支援サービス

★3〜★5の取得をワンストップで支援します。現状アセスメント・ギャップ分析・技術対策・文書整備・申請サポートまで対応。
→ SCS評価制度 対応支援の詳細はこちら
→ SCS評価制度 対応の完全ガイド

まとめ

SCS評価制度は、サプライチェーンセキュリティを「見える化」する日本初の格付け制度です。中小企業にとっては2026年10月に運用が始まる★3の達成が喫緊の課題です。Microsoft 365 Business Premiumを活用すれば、MFA・EDR・バックアップ・資産管理といった★3の技術要件を効率的にカバーできます。本格運用開始に向けて、早期の対策着手を推奨します。