オフィスWi-Fiのよくある問題
「会議室でTeams会議が途切れる」「特定の場所でWi-Fiが弱い」「来客用Wi-Fiがない」。オフィスの無線LAN環境に不満を抱える企業は少なくありません。
- AP(アクセスポイント)の不足:1台で広いオフィスをカバーしようとして電波が届かない
- チャネル干渉:同じチャネルのAPが近接して速度低下
- 帯域不足:Teams会議やクラウドサービスの利用増で回線が逼迫
- セキュリティ:来客が社内ネットワークに直接接続してしまう
Wi-Fi規格の比較
| 規格 | 名称 | 最大速度 | 周波数帯 | 推奨度 |
|---|---|---|---|---|
| Wi-Fi 5 | 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz | 既存環境の延命 |
| Wi-Fi 6 | 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4/5GHz | ★★★ 新規導入推奨 |
| Wi-Fi 6E | 802.11ax拡張 | 9.6Gbps | 2.4/5/6GHz | 高密度環境向け |
| Wi-Fi 7 | 802.11be | 46Gbps | 2.4/5/6GHz | 将来対応 |
中小企業のオフィスにはWi-Fi 6対応APがコストパフォーマンスに優れています。
AP選定のポイント
| メーカー | 製品例 | 特徴 | 管理方法 |
|---|---|---|---|
| Ubiquiti(UniFi) | U6 Pro / U6 Enterprise | コスパ◎、クラウド管理無料 | UniFi Controller(無料) |
| Meraki(Cisco) | MR36 / MR46 | クラウド管理、ゼロタッチ展開 | Merakiダッシュボード(有料) |
| Aruba(HPE) | AP-505 / AP-515 | エンタープライズ品質 | Aruba Central(有料) |
| YAMAHA | WLX413 / WLX222 | 国内サポート充実 | YAMAHAコントローラー |
APの配置ルール
- 1台あたり20〜30台の端末を目安に設計
- AP間の距離は10〜15m(壁の有無により調整)
- 会議室には専用APを設置(Teams会議の品質確保)
- 天井設置が推奨(電波の下方向への到達性が向上)
チャネル設計
5GHz帯で使用するチャネルを計画的に割り当て、AP間の干渉を防ぎます。
- 5GHz帯:W52(36,40,44,48ch)、W53(52,56,60,64ch)、W56(100〜144ch)から隣接APが重ならないよう割当
- 2.4GHz帯:ch1、ch6、ch11の3チャネルのみ使用(重複しない3チャネル)
- 自動チャネル:管理型APではコントローラーの自動チャネル割当を推奨
ゲストWi-Fiの分離
来客用のWi-FiはVLAN分離により社内ネットワークから完全に隔離します。
- SSID分離:社内用「Company-WiFi」とゲスト用「Guest-WiFi」を別SSIDで運用
- VLAN:ゲストSSIDを別VLANに割当し、社内セグメントへのアクセスをブロック
- 帯域制限:ゲストWi-Fiの帯域を制限(例:下り10Mbps/上り5Mbps)
- 認証:ゲスト用パスワードは定期変更、またはCaptive Portalで利用規約に同意後に接続
セキュリティ設定
- WPA3-Enterprise:802.1X認証(Entra ID連携 or RADIUSサーバー)が最も安全
- WPA3-Personal:WPA3-Enterpriseが困難な場合の代替(パスワード認証)
- MACアドレスフィルタリング:補助的な対策としてのみ使用(単体では不十分)
- 不正AP検出:管理型APの機能で野良APを検出・警告
まとめ
オフィスWi-Fiは「Wi-Fi 6対応AP+計画的なチャネル設計+VLAN分離によるゲストWi-Fi」で構築します。AP1台あたり20〜30端末を目安に配置し、会議室には専用APを設置しましょう。