SP 800-37のRMFは「準備→分類→選定→実装→評価→認可→監視」の7ステップでシステムのリスク管理をサイクル化するフレームワークです。SP 800-53(管理策)、SP 800-30(リスク評価)、SP 800-53A(評価手順)と組み合わせて運用します。
SP 800-37とは
NIST SP 800-37 Rev.2「Risk Management Framework for Information Systems and Organizations」(2018年公開)は、情報システムのリスク管理を体系的に実施するためのフレームワーク(RMF)を定義した文書です。
RMFは米国連邦政府のシステムに対するセキュリティ認可(ATO: Authority to Operate)のプロセスを規定するものですが、その構造化されたアプローチは民間企業のセキュリティマネジメントにも広く応用されています。Rev.2では「準備(Prepare)」ステップが新たに追加され、7ステップ構成になりました。
RMFの7ステップ
| ステップ | 名称 | 概要 | 関連SP |
|---|---|---|---|
| 1 | Prepare(準備) | RMF実施の前提条件を整備。組織のリスク管理戦略、役割の定義 | SP 800-39 |
| 2 | Categorize(分類) | 情報システムをセキュリティ影響度(低/中/高)で分類 | FIPS 199 |
| 3 | Select(選定) | 分類に基づき、適用するセキュリティ管理策を選定 | SP 800-53 |
| 4 | Implement(実装) | 選定した管理策をシステムに実装 | SP 800-53 |
| 5 | Assess(評価) | 実装した管理策が適切に機能しているか評価 | SP 800-53A |
| 6 | Authorize(認可) | リスクを受容し、システムの運用を認可(ATO発行) | — |
| 7 | Monitor(監視) | 継続的に管理策の有効性を監視し、リスク状況を更新 | SP 800-137 |
RMFは7ステップのサイクルであり、認可(ATO)を取得して終わりではありません。Step 7の「監視」で脅威環境や管理策の状況変化を継続的に追跡し、必要に応じてStep 2〜6を反復します。
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情シス365(セキュリティ運用) を見る →他のSPとの関係
| RMFステップ | 参照すべきSP | 内容 |
|---|---|---|
| 準備・分類 | SP 800-39, FIPS 199 | 組織レベルのリスク管理戦略、システム分類基準 |
| 選定・実装 | SP 800-53 Rev.5 | 20ファミリー・1,000以上の管理策カタログから選定 |
| 評価 | SP 800-53A Rev.5 | 管理策の評価手順・テスト方法 |
| リスク評価 | SP 800-30 Rev.1 | 脅威・脆弱性の特定、リスクレベルの算出 |
よくある質問
SP 800-37とは何ですか?
NIST SP 800-37 Rev.2「Risk Management Framework for Information Systems and Organizations」(2018年公開)は、情報システムのリスク管理を体系的に実施するためのRMF(リスク管理フレームワーク)を定義した文書です。
RMFの7ステップとは何ですか?
1.Prepare(準備:組織のリスク管理戦略と役割の定義)、2.Categorize(分類:セキュリティ影響度を低/中/高で分類)、3.Select(選定:分類に基づく管理策の選定)、4.Implement、5.Assess、6.Authorize、7.Monitorです。
他のNIST文書とどう関係しますか?
準備・分類ではSP 800-39とFIPS 199、選定・実装ではSP 800-53 Rev.5(20ファミリー・1,000以上の管理策カタログ)、評価ではSP 800-53A Rev.5を参照します。
中小企業でも使えますか?
RMFは政府機関向けに設計されていますが、リスクに応じて管理策を選定し実装・評価・監視するという考え方自体は規模を問わず適用できます。まずCategorizeで重要度を分類し、優先度の高いシステムから着手するアプローチが現実的です。
まとめ
SP 800-37のRMFは「準備→分類→選定→実装→評価→認可→監視」の7ステップでシステムのリスク管理をサイクル化するフレームワークです。SP 800-53(管理策)、SP 800-30(リスク評価)、SP 800-53A(評価手順)と組み合わせて運用します。