SP 800-145はクラウドの「共通言語」を提供する定義文書です。IaaS/PaaS/SaaSの3モデルと4つの展開モデルの理解は、クラウド戦略の策定やベンダー評価の基礎となります。
SP 800-145とは
NIST SP 800-145「The NIST Definition of Cloud Computing」(2011年公開)は、クラウドコンピューティングの公式定義を示した文書です。わずか2ページの短い文書ですが、クラウドの「5つの基本特性」「3つのサービスモデル」「4つの展開モデル」を明確に定義し、世界中のIT業界で標準的に参照される定義となっています。
5つの基本特性
| # | 特性 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | オンデマンド・セルフサービス | ユーザーがサービス提供者に連絡せずに、必要な時に自動的にリソースを確保できる |
| 2 | 広範なネットワークアクセス | 標準的な仕組み(Webブラウザ、API等)で、さまざまなデバイスからアクセスできる |
| 3 | リソースプーリング | 提供者のリソースが複数の利用者に動的に割り当てられる(マルチテナント) |
| 4 | 迅速な拡張性 | 需要に応じてリソースを迅速にスケールアップ/ダウンできる |
| 5 | 計測可能なサービス | リソースの使用量が計測・制御・報告され、従量課金が可能 |
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情シス365(セキュリティ運用) を見る →3つのサービスモデル
| モデル | 提供範囲 | 利用者の管理範囲 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| IaaS(Infrastructure as a Service) | 仮想サーバー、ネットワーク、ストレージ | OS、ミドルウェア、アプリケーション | AWS EC2、Azure VM、GCP Compute Engine |
| PaaS(Platform as a Service) | IaaS+OS・ミドルウェア・ランタイム | アプリケーション、データ | Azure App Service、AWS Elastic Beanstalk、Heroku |
| SaaS(Software as a Service) | アプリケーション全体 | 設定、データ | Microsoft 365、Salesforce、Google Workspace |
4つの展開モデル
| モデル | 概要 | 適したケース |
|---|---|---|
| パブリッククラウド | 一般に公開され、複数の組織が共有利用 | コスト重視、一般的な業務システム |
| プライベートクラウド | 単一組織専用のクラウド環境 | 高セキュリティ要件、規制対応 |
| コミュニティクラウド | 共通の目的を持つ組織グループが共有 | 業界団体、政府機関のグループ |
| ハイブリッドクラウド | パブリック+プライベートの組み合わせ | 段階的なクラウド移行、一部データのオンプレ保持 |
よくある質問
SP 800-145とは何ですか?
NIST SP 800-145「The NIST Definition of Cloud Computing」(2011年公開)は、クラウドコンピューティングの公式定義を示した文書です。わずか2ページですが、5つの基本特性・3つのサービスモデル・4つの展開モデルを定義しています。
5つの基本特性とは何ですか?
①オンデマンド・セルフサービス(提供者に連絡せず自動的にリソースを確保できる)、②広範なネットワークアクセス(Webブラウザ・APIなど標準的な仕組みで様々なデバイスからアクセスできる)、③リソースプーリング、④迅速な弾力性、⑤サービスの計測可能性です。
3つのサービスモデルの違いは?
IaaSは仮想サーバー・ネットワーク・ストレージが提供され利用者がOS・ミドルウェア・アプリを管理します(AWS EC2、Azure VM等)。PaaSはミドルウェアまで提供され、SaaSはアプリケーションまで提供されます。
4つの展開モデルとは何ですか?
一般公開され複数組織が共有するパブリッククラウド(コスト重視)、単一組織専用のプライベートクラウド(高セキュリティ要件、規制対応)、共通の目的を持つ組織グループが共有するコミュニティクラウド(業界団体、政府機関)、これらを組み合わせるハイブリッドクラウドです。
まとめ
SP 800-145はクラウドの「共通言語」を提供する定義文書です。IaaS/PaaS/SaaSの3モデルと4つの展開モデルの理解は、クラウド戦略の策定やベンダー評価の基礎となります。