EDRとは

EDR(Endpoint Detection and Response)は、PC・サーバーなどのエンドポイントにおける不審な振る舞いをリアルタイムで検知し、調査・対応を支援するセキュリティソリューションです。

従来のアンチウイルスが「既知のマルウェアを検出・駆除」することに特化していたのに対し、EDRは「未知の脅威や攻撃者の振る舞いを検知し、影響範囲の特定・隔離・復旧まで支援」します。

従来型アンチウイルスとの違い

項目従来型アンチウイルス(EPP)EDR
検知手法シグネチャ(定義ファイル)ベース振る舞い分析 + AI/ML + IoC照合
未知の脅威への対応弱い(定義ファイルにない脅威は検知困難)強い(異常な振る舞いを検知)
侵入後の対応なし(防御のみ)調査・隔離・復旧を支援
可視性検知/ブロックのログのみプロセス実行、ファイル操作、ネットワーク通信の詳細ログ
インシデント調査手動で別ツールが必要タイムライン表示で攻撃の全貌を可視化

なぜ中小企業にEDRが必要か

  • 攻撃者は中小企業を狙っている:大企業のサプライチェーン経由の侵入口として標的に
  • ファイルレス攻撃の増加:PowerShellやWMIを悪用する攻撃は従来型AVでは検知困難
  • ランサムウェアの早期検知:ファイル暗号化の兆候(大量のファイル操作等)をEDRが検知
  • サイバー保険の要件:多くのサイバー保険がEDR導入を加入条件に追加

EDRの主要機能

  • リアルタイム監視:プロセス実行、ファイル操作、レジストリ変更、ネットワーク通信を常時記録
  • 脅威検知:振る舞い分析、MITRE ATT&CK準拠の攻撃手法との照合
  • 自動対応:検知した脅威の自動隔離、プロセス停止、ネットワーク遮断
  • インシデント調査:攻撃のタイムラインを可視化し、侵入経路・影響範囲を特定
  • 脅威ハンティング:過去のログを遡って潜在的な脅威を探索

主要製品比較

製品特徴中小企業での導入しやすさ
Microsoft Defender for EndpointM365 Business Premiumに含まれる。追加コスト不要。M365管理ポータルで一元管理◎(M365既存ユーザーは即導入可能)
CrowdStrike Falcon Goクラウドネイティブ。検知精度が高く、軽量エージェント○(中小向けプランあり)
SentinelOne SingularityAI駆動の自動対応。ロールバック(暗号化ファイルの復元)機能○(MSP経由での提供が多い)
💡 M365 Business Premiumユーザーなら

Defender for Endpointが追加コスト不要で利用可能です。他製品を導入する前に、まずDefender for Endpointの有効化を検討しましょう。

MDR(マネージドEDR)という選択肢

EDRを導入しても、アラートの分析・対応にはセキュリティの専門知識が必要です。MDR(Managed Detection and Response)は、EDRの監視・対応をセキュリティ専門企業に委託するサービスです。

24時間365日の監視体制を自社で構築するのは中小企業には現実的ではないため、EDR + MDRの組み合わせが最もコスト効率の良い選択肢です。

BTNコンサルティングの支援

EDR製品の選定、導入設計、ポリシー設定、運用体制の構築を支援します。Defender for Endpointの有効化・チューニングから、CrowdStrike等のサードパーティ製品の導入まで対応します。

まとめ

EDRは従来型アンチウイルスを超える「侵入後の検知・対応」能力を持つセキュリティ基盤です。中小企業はまずM365 Business Premiumに含まれるDefender for Endpointの有効化を検討し、運用リソースが不足する場合はMDRの併用を推奨します。