IT統合の全体スケジュール
| フェーズ | 期間 | 主要タスク | ゴール |
|---|---|---|---|
| Phase1:IT-DD | M&A成立前(2〜4週間) | IT環境調査、リスク評価、統合コスト試算 | IT統合の実現可能性とコストの把握 |
| Phase2:Day1対応 | M&A成立日(事前準備1〜2週間) | 最低限の連絡手段確保、暫定アクセス環境の構築 | 業務を止めない |
| Phase3:短期統合 | 1〜6ヶ月 | メール統合、ID管理統一、セキュリティ標準化 | コミュニケーション基盤の統一 |
| Phase4:中長期統合 | 6ヶ月〜2年 | 業務システム統合、インフラ再設計、IT運用体制確立 | IT環境の完全統合 |
Phase 1:IT-DD(ITデューデリジェンス)
M&A成立前に被買収企業のIT環境を調査します。IT-DDの結果は買収価格の交渉材料にもなります。
- IT資産の棚卸し:PC台数、サーバー、ネットワーク機器、ソフトウェアライセンス
- 契約の確認:ISP、SaaS、保守契約の内容・期間・解約条件
- セキュリティ状態の評価:MFA有無、EDR有無、バックアップ状況、過去のインシデント
- IT人材の把握:IT担当者の有無、スキルレベル、退職リスク
- 統合コストの試算:メール移行、ライセンス統合、インフラ変更の費用を概算
Phase 2:Day1対応
M&A成立日に最低限必要な環境を用意します。「業務を1日も止めない」が鉄則です。
- メール:統合前でも相互にメール送受信可能な状態を確保。必要に応じて転送ルールを設定
- Teams:暫定的なゲストアクセスまたはShared Channelで連絡手段を確保
- ファイル共有:最低限のSharePointサイトまたはTeamsチームを用意し、共有ドキュメントの置き場を確保
- セキュリティ緊急対策:被買収企業にMFAが未導入なら最優先で適用
Phase 3:短期統合(1〜6ヶ月)
| タスク | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| メールドメイン統合 | 被買収企業のメールを買収企業のExchange Onlineテナントに移行 | 2〜4週間 |
| ID管理統一 | 被買収企業のユーザーをEntra IDに登録、SSOの統一 | 1〜2週間 |
| セキュリティ標準化 | MFA、条件付きアクセス、EDR、パッチ管理の統一 | 2〜4週間 |
| ネットワーク接続 | 拠点間VPNまたはSD-WANの設定(必要に応じて) | 2〜4週間 |
Phase 4:中長期統合(6ヶ月〜2年)
- 業務システムの統合:会計、ERP、CRM等の統合または連携設計
- インフラの再設計:サーバーの統廃合、クラウド移行の推進
- IT運用体制の確立:統合後のIT運用体制の設計、情シスアウトソーシングの活用
- ライセンスの最適化:重複ライセンスの整理、契約の統合
まとめ
M&A後のIT統合はIT-DD→Day1→短期統合→中長期統合の4フェーズで進めます。最重要はPhase1のIT-DDとPhase2のDay1計画です。事前準備の質がIT統合全体の成否を決めます。