この記事の結論

自工会サイバーセキュリティガイドラインは、自動車業界のサプライチェーン全体で共通のセキュリティ基準を設けるフレームワークです。製造業のIT担当者は自社のレベルを評価し、取引先からの要求に備えましょう。

ガイドラインの概要

日本自動車工業会(JAMA)と日本自動車部品工業会(JAPIA)が共同で策定する「自工会/部工会・サイバーセキュリティガイドライン」は、自動車産業のサプライチェーン全体で共通のセキュリティ水準を確保するためのガイドラインです。

自動車メーカーだけでなく、部品メーカー、素材メーカーなどサプライチェーン上の全企業が対象であり、取引先への要求事項としても活用されています。

対策レベルの分類

レベル対象概要
Lv1全企業最低限実施すべき基本的なセキュリティ対策
Lv2自動車業界として標準的に実施すべき企業業界標準のセキュリティ対策
Lv3機密性の高い情報を扱う企業高度なセキュリティ対策
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対策項目の領域

  • ラベル1〜24の項目で構成され、以下の領域をカバー
  • 情報セキュリティの方針・体制
  • 情報資産の管理
  • アクセス制御・認証
  • ネットワークセキュリティ
  • インシデント対応
  • 教育・訓練
  • 外部委託先の管理

サプライチェーンへの影響

自動車メーカーがTier1企業にガイドライン準拠を要求し、Tier1企業がTier2以下に同様の要求を行うことで、サプライチェーン全体のセキュリティ水準を底上げする仕組みです。取引先としてガイドラインへの対応を求められるケースが増えています。

対応の進め方

Step作業期間目安
1. 求められるレベルの確認取引先から指定されている水準(Lv1/Lv2/Lv3)を確認する。指定がない場合は取扱情報の機微度で判断する1〜2週間
2. 自己チェックの実施ガイドラインのチェックシートで現状を評価する。判断に迷う項目は「未達」に倒す2〜4週間
3. ギャップの分類設定変更で済むもの、文書化が必要なもの、新規導入が必要なものに分ける1〜2週間
4. 対策の実装設定変更から着手する。MFA・EDR・ログ管理はMicrosoft 365の範囲で対応できる項目が多い2〜4か月
5. 提出と維持取引先へ回答し、以降は年次で更新する継続

自己チェックは「やっているつもり」を排除することが肝心です。文書化されていない運用は未達として扱い、実装と記録の両方を揃えてください。

SCS評価制度との関係

自工会/部工会ガイドラインとSCS評価制度は、目的も運営主体も異なりますが、要求される対策には重なりが多くあります。

観点自工会ガイドラインSCS評価制度
策定主体JAMA/JAPIA(業界団体)経済産業省(IPA運営)
対象自動車産業のサプライチェーン全業種横断
評価自己チェック★1〜★5の格付け。★4以上は第三者評価
公開性取引先間での共有格付けが公開される

自動車業界のサプライヤーは、当面は両方に対応することになります。MFA・EDR・アクセス管理・ログ管理・インシデント対応といった中核の対策は共通して使えるため、実装と証跡は1セットで揃え、提出形式だけを各制度に合わせるのが効率的です。

よくある質問

自工会サイバーセキュリティガイドラインとは何ですか?

日本自動車工業会(JAMA)と日本自動車部品工業会(JAPIA)が共同で策定する「自工会/部工会・サイバーセキュリティガイドライン」で、自動車産業のサプライチェーン全体で共通のセキュリティ水準を確保することを目的としています。

対策レベルはどう分かれていますか?

Lv1は全企業が最低限実施すべき基本的な対策、Lv2は自動車業界として標準的に実施すべき対策、Lv3は機密性の高い情報を扱う企業向けの高度な対策という3段階です。

どんな項目が含まれますか?

情報セキュリティの方針・体制、情報資産の管理をはじめとする複数の領域をカバーする項目で構成されています。

なぜ対応を求められるのですか?

自動車メーカーがTier1企業にガイドライン準拠を要求し、Tier1企業がTier2以下に同様の要求を行うことで、サプライチェーン全体のセキュリティ水準を底上げする仕組みだからです。取引先として対応を求められるケースが増えています。

まとめ

自工会サイバーセキュリティガイドラインは、自動車業界のサプライチェーン全体で共通のセキュリティ基準を設けるフレームワークです。製造業のIT担当者は自社のレベルを評価し、取引先からの要求に備えましょう。

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BTNコンサルティング 編集部

株式会社BTNコンサルティング|情シス365 運営

Microsoft 365・Google Workspace導入支援、IT-PMI(M&A後のIT統合)、セキュリティ対策を専門とするITコンサルティング企業。中小企業の「ひとり情シス」を支援し、ITの力で経営課題を解決します。