ITリスク管理とは
ITリスク管理は、ITに関するリスクを特定・評価・対応・監視するプロセスです。「何が起こりうるか」を予測し、「被害を最小化するための対策」を事前に講じることがITリスク管理の本質です。
リスクの種類
| リスクカテゴリ | 具体例 | 影響 |
|---|---|---|
| サイバー攻撃 | ランサムウェア、フィッシング、不正アクセス | 業務停止、データ消失、身代金、信用失墜 |
| システム障害 | サーバーダウン、クラウド障害、ネットワーク障害 | 業務停止、生産性低下、顧客対応不能 |
| 情報漏洩 | 個人情報流出、営業秘密の漏洩、メール誤送信 | 法的責任、損害賠償、信用失墜 |
| IT人材リスク | ひとり情シスの退職、ナレッジの属人化 | IT運用の停止、ブラックボックス化 |
| コンプライアンス | 個人情報保護法違反、ライセンス違反 | 行政処分、損害賠償 |
| 災害 | 地震、水害、火災 | 設備損壊、データ消失、業務停止 |
リスクアセスメント
リスクアセスメントは「影響度」×「発生可能性」でリスクを評価し、優先順位をつけるプロセスです。
| 発生可能性:低 | 発生可能性:中 | 発生可能性:高 | |
|---|---|---|---|
| 影響度:大 | 中リスク | 高リスク | 最高リスク |
| 影響度:中 | 低リスク | 中リスク | 高リスク |
| 影響度:小 | 最低リスク | 低リスク | 中リスク |
リスク対応の4つの選択肢
- 回避:リスクのある活動をやめる(例:危険なSaaSの利用を禁止する)
- 軽減:対策を講じてリスクを減らす(例:MFAの導入で不正アクセスリスクを軽減)
- 転嫁:リスクを第三者に移転する(例:サイバー保険の加入)
- 受容:対策コストとリスクを比較し、リスクを受け入れる(例:極めて発生可能性が低いリスク)
中小企業での実践
中小企業は以下の「最高リスク」に集中して対策を講じましょう。
| 最高リスク | 対策 |
|---|---|
| ランサムウェア感染 | MFA+EDR+バックアップの3点セット |
| フィッシングによるアカウント侵害 | MFA+メールセキュリティ+従業員教育 |
| IT担当者の退職 | 運用手順書の整備+情シスアウトソーシング |
| データ消失 | 3-2-1バックアップ+復旧テスト |
まとめ
ITリスク管理は「影響度×発生可能性」でリスクを評価し、最高リスクから対策を講じるプロセスです。中小企業はランサムウェア、フィッシング、IT担当者退職、データ消失の4つの最高リスクに集中しましょう。