この記事の結論

CRAは2027年12月に完全適用され、EU市場にデジタル製品を販売するすべての企業に影響します。SBOM管理、脆弱性管理プロセス、セキュリティ・バイ・デザインの導入を今から進めましょう。

CRAとは

EU サイバーレジリエンス法(Cyber Resilience Act:CRA)は、EU市場で販売される「デジタル要素を持つ製品」すべてにサイバーセキュリティ要件を義務付けるEU規則です。2024年に成立し、2027年12月から完全適用されます。

EU市場に製品を販売する日本企業も適用対象であり、製造業・ソフトウェア開発企業に大きな影響があります。

対象製品

  • ハードウェア:IoT機器、ネットワーク機器、産業用制御機器、スマート家電等
  • ソフトウェア:OS、アプリケーション、ファームウェア等
  • 除外:医療機器(MDR適用)、自動車(UNECE適用)、航空機器等の既存規制が適用される製品

製品は重要度に応じてClass I / Class II / Defaultに分類され、Class IIは第三者認証が必要です。

関連サービス

セキュリティ対策は導入して終わりではなく、日々の運用と検知後の初動が成果を分けます。情シス365では Defender/Intune の運用も含めて、必要な時間数に応じた月額制(月12万円〜)でご支援しています。

情シス365(セキュリティ運用) を見る →

主な要件

要件内容
セキュリティ・バイ・デザイン設計段階からセキュリティを組み込む
脆弱性管理製品のライフサイクル全体(最低5年)での脆弱性管理義務
セキュリティアップデート脆弱性発見時のセキュリティパッチの無償提供義務
SBOM(ソフトウェア部品表)製品に含まれるソフトウェアコンポーネントの一覧を作成・管理
インシデント報告悪用された脆弱性を24時間以内にENISA(EU機関)に報告
CEマーキングCRA適合を示すCEマーキングの貼付が必要

日本企業への影響

  • EU向けに製品を輸出する製造業:すべてのデジタル要素を持つ製品がCRA対象。適合しなければEU市場で販売不可
  • ソフトウェア開発企業:EU向けのソフトウェア製品もCRA対象。脆弱性管理とSBOMの作成が義務化
  • 部品メーカー:完成品メーカーからCRA適合のための要件が課される

対応の準備

  • 自社製品のうちEU市場向け製品を特定し、CRAの適用範囲を確認
  • SBOMの作成・管理体制を構築
  • 脆弱性管理プロセス(発見→評価→パッチ提供→報告)を整備
  • セキュリティ・バイ・デザインの開発プロセスを導入

報告義務は2026年9月11日から先行して適用されます。実際に悪用されている脆弱性を認識してから24時間・72時間・14日という段階的な期限があり、すでにEU市場にある製品も対象です。実務の詳細はEU CRAの報告義務が2026年9月11日から開始で解説しています。

よくある質問

EUサイバーレジリエンス法(CRA)とは何ですか?

EU市場で販売される「デジタル要素を持つ製品」すべてにサイバーセキュリティ要件を義務付けるEU規則です。2024年に成立し、2027年12月から完全適用されます。

どんな製品が対象ですか?

IoT機器・ネットワーク機器・産業用制御機器・スマート家電などのハードウェアと、OS・アプリケーション・ファームウェアなどのソフトウェアです。医療機器(MDR)、自動車(UNECE)、航空機器など既存規制が適用される製品は除外されます。

主な要件は何ですか?

設計段階からセキュリティを組み込むセキュリティ・バイ・デザイン、製品ライフサイクル全体(最低5年)での脆弱性管理、脆弱性発見時のセキュリティパッチの無償提供、SBOM(ソフトウェア部品表)の作成です。

日本企業は何を準備すべきですか?

自社製品のうちEU市場向け製品を特定してCRAの適用範囲を確認し、SBOMの作成・管理体制を構築します。あわせて発見→評価→パッチ提供→報告という脆弱性管理プロセスを整備します。部品メーカーも完成品メーカーからCRA適合を求められる可能性があります。

まとめ

CRAは2027年12月に完全適用され、EU市場にデジタル製品を販売するすべての企業に影響します。SBOM管理、脆弱性管理プロセス、セキュリティ・バイ・デザインの導入を今から進めましょう。

E

BTNコンサルティング 編集部

株式会社BTNコンサルティング|情シス365 運営

Microsoft 365・Google Workspace導入支援、IT-PMI(M&A後のIT統合)、セキュリティ対策を専門とするITコンサルティング企業。中小企業の「ひとり情シス」を支援し、ITの力で経営課題を解決します。